硝酸態窒素は野菜の収穫量に影響する?
野菜をはじめとする植物が成長する上では様々な成分が使われます。その1つが硝酸態窒素です。
植物の成長に必要な栄養素としては窒素・リン酸・カリウムが必要ですが、窒素はその中でも主に茎や葉の成長を促すために必要な栄養素です。硝酸態窒素という形で取り入れられた窒素は、野菜の細胞を構成するたんぱく質や、光合成に欠かせない葉緑素といった重要なものを構成する要素として使われます。
ですがもし窒素が足りなければ、植物全体が成長するのに必要な栄養素が不足してしまうということになりますから、うまく育たなくなってしまうのです。例えば草丈が伸びづらくなったり、葉が黄色くなったりといった症状がみられる場合もあります。
硝酸態窒素は上手に活用することによって、野菜の収穫量を増やす効果が期待できると言えるでしょう。
自然に含まれている成分だけでは成長に必要な栄養が不足してしまう可能性があることから、野菜を育てる上では必要に応じて成分を補っていかなければなりません。野菜は主に根から必要な栄養素を吸収しますから、肥料を用いて土に栄養を補給する形で植物の栄養吸収に繋げていくのが基本です。
この時、肥料はただ与えればよいというものではありません。肥料には様々な種類がありますから、育成状況や目指す方向性に応じて、適切な肥料を選ぶことが大切です。
また元々痩せており栄養が少ない土地だったとしても、肥料を利用し栄養素をうまく与えることができれば、葉を青々を茂らせた葉物野菜を育てられる可能性が生まれます。
とはいえ硝酸態窒素に限らず、「特定の栄養素が過剰になっている状態」というのは、野菜にとって決して良い状態というわけではありません。
通常、光合成によるアミノ酸への分解等ができなかった過剰分に関しては、そのまま硝酸態窒素という形で野菜の中に蓄えられていきます。その状態の野菜を人間が食べることで、今度は人体に硝酸態窒素が取り込まれることになります。これにより、過剰分の硝酸態窒素は結果的に人体に対しての影響を及ぼす可能性があるのです。
硝酸態窒素自体は植物の成長を促す効果が期待できると言うことから、収穫量を増やそうとする働きも十分期待できます。そのため、なるべくしっかりと葉を作ったり植物を成長させたいという目的から、硝酸態窒素を利用している場面は決して少なくありません。
しかし、収穫量はただ増やすだけでなく、他の影響も考慮する必要があるので、現在ではその利用に関しては慎重にすべきという意見が多く聞かれます。何事も適量が望ましいのです。