有機栽培と無機栽培
野菜に残存する硝酸態窒素の量は、その栽培の過程に大きな影響を受けます。
今回は野菜の有機栽培(オーガニック)に注目してみましょう。スーパーなどで手に取るオーガニック野菜は、一般的な野菜から比較すると若干価格帯が高めに設定される傾向にあります。
一般的に「有機栽培」「有機農法」は、化学的な肥料などの使用を避け、有機肥料を用いて野菜を育てることをさしています。
ですが日本国内において商品説明やパッケージに「有機」というワードを使用するためには、法律に制定された「JAS規格(日本農林規格)」内の「有機JAS規格(有機食品のJAS規格)」に認証された事業者が、「有機JASマーク」を添付して記載する必要があります。
いくら化学肥料を使ってないからと言って、認証された事業者以外が「有機○○」などという商品名をつけてはいけないのです。
そして有機栽培と比較される「無機栽培」「無機農法」は、化学肥料などの無機質肥料を使用する農法のことをさしています。肥料の品質が安定しやすい傾向にあるといった理由で、収穫される作物の安定的な栽培および安定的な収穫量などが見込みやすいのがメリットでしょう。
近代化とともに、あらゆる産業が大量生産を目指す背景のなかで、農業においても作物の大量生産が模索され、その流れとともに発展した現代の主流となる栽培方法でもあります。
対して有機栽培は、作物の大量生産のみを目的としたものではなく、野菜本来の質に着目した発展をしてきたとの見方もできるかもしれません。
有機栽培は無機栽培よりも手間がかかり、品質が高いものを作り出すにはより熟練した技術が必要な傾向にあります。だからこそ、その過程が値段に反映されていると言ってよいでしょう。