2020.09.25

野菜の成長を手助けする!硝酸態窒素の存在

野菜の成長を考える上で、育成環境の整備は欠かせません。土・水・肥料はもちろん、日当たりや空気の良し悪しなど。

 

育成環境をきちんと整えられるかで収穫量や品質が大きく変わります。

 

とくに、野菜を育てる栄養素の一つである「硝酸態窒素」は、摂取量を矯正できるかどうかで野菜の仕上がりが変わるとか…。

 

そこで今回は、野菜の栄養素である「硝酸態窒素」について解説します。

野菜の成長を手助けする!硝酸態窒素の存在

野菜の成長には、リン酸・カリウム・窒素の3つの栄養素の存在は欠かせません。

 

中でも「窒素」は「野菜の身体を形作るタンパク質」や「光合成に必要な葉緑素」など、野菜の身体を育てる構成要素を組み上げるのに必要です。

 

一方で野菜自体には、大気中の窒素を吸収する力はありません。そこで、野菜は窒素を吸収するために、大気中に舞う窒素と微生物を使って「硝酸態窒素」へ変化させ、土を媒介することで植物の窒素吸収を手助けします。

 

これを繰り返すことで、野菜の成長を日々促しています。

硝酸態窒素の取りすぎはダメ?硝酸態窒素が招く問題と人体へ与える影響について

野菜の身体作りで必要な栄養素となる硝酸態窒素ですが、かといって栄養素の取りすぎは良くありません。

 

理由としては、短期間で野菜の体内に硝酸態窒素をたくさん取り込むと、野菜体内にある消化器官が栄養素を消化しようとして、意図しない急激な成長を招いてしまうからです。

 

とくに野菜の場合、急激に成長すると葉や茎が軟弱な状態で伸び、大量にアミノ酸やタンパク質を分泌するので、虫を引き寄せて野菜をダメにしてしまったり、虫への対抗手段として撒いた農薬が、野菜を摂取する人間の身体を蝕んでしまうなど。

 

思わぬ事態を引き起こす要因になりかねません。

 

したがって、栄養素である硝酸態窒素を野菜が取り込みすぎないよう工夫する必要があります。

硝酸態窒素の過剰摂取を防ぐ方法

植物に硝酸態窒素を過剰摂取させないためにできることは主に以下の2つ。

 

  • 硝酸態窒素の過剰吸収を防止する
  • 硝酸態窒素の消費スピードを引き上げる

 

では具体的に過剰摂取を防ぐ方法についても解説していきます。

 

1.硝酸態窒素の過剰吸収を防止する

 

硝酸態窒素の過剰摂取を防ぐには、まずは野菜の体内に取り入れる硝酸態窒素自体を少なくしなければなりません。そこで利用するのが肥料です。

 

緩効性肥料を使うことで栄養素の吸収を制限し、育て方を矯正します。

 

これにより、栄養素の偏りをコントロールします。

 

2.硝酸態窒素の消費スピードを引き上げる

 

摂取を抑えたら、今度は摂取以上に硝酸態窒素を消費していきます。

 

人間のダイエット同様、光を強く当てることで光合成を活性化させ、植物のカロリー消費を促し、体内に蓄積された硝酸態窒素を外へ逃がします。

 

これにより、植物が硝酸態窒素を体内に貯めきれず、葉や茎を急成長してしまう問題を取り除き、自然本来の速度で野菜の成長を見守ることができます。

 

おわりに

今回は、野菜の成長を手助けする「硝酸態窒素」について解説しました。

 

自宅のベランダや家庭菜園で野菜を育てる機会がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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