勤務時間の長期化といった労働環境の変化などが要因となって食生活が乱れ、サプリメントや栄養補助食品などを服用し、不足している栄養素を補うケースが増えています。

とはいえ本来なら食事で摂取できる栄養素がほとんどです。また有機野菜の中には天然のサプリメントとして有用な栄養素を多く含むものもあります。できることならば安全で美味しい食事として栄養を摂取できるのが理想でしょう。

 

ただし、体にいいからといって、ただ闇雲にたくさん食べればいい訳ではありません。一度に過量を摂取することで、逆効果になってしまうケースもあります。効率の良い摂取の方法や、体調や症状により注意して摂取しなければならない場合など留意することも多くあります。

せっかく日常の食生活から見直して栄養素を取り入れようとしても、効果がなかったり、ましてや悪化させたりしてしまっては意味がありません。野菜や果物、穀物、また飲み物など私たちが普段口にする食品が持っている栄養素を詳しく知り、どんな時により効果的な作用があるのか理解することで、より一層健康的な食生活を送ることができるでしょう。

 

「栄養たっぷりの野菜」と聞いて1番最初に思いつくのが緑黄色野菜ではないでしょうか。緑黄色野菜は言葉通りの色の濃い野菜という意味ではありません。カロテンを豊富に含んでいる野菜のことを緑黄色野菜と呼んでいるのです。厚生労働省の定める基準では、可食部100グラムに対して600マイクログラム以上のカロテンを含んでいる野菜とされています。

また、例外的に600マイクログラム以下の野菜であるトマトやピーマンでも食べられている回数や量が多い野菜も含まれます。特に、β–カロテンは脂溶性ビタミンの仲間で、動物の体内に摂取されるとビタミンAに変換されます。このβ–カロテンから変化するビタミンAは、野菜由来のものはプロビタミンAとされ、動物由来のビタミンAと異なり過多の摂取による過剰症が起こりにくいとされています。